赤光白光・本願寺新報(2月10日)より

今年も境内の福寿草が顔を出し膨らみ始めました。春まであと少し。その頃には、コロナの第3波が収まってくれることを願うばかりです。

引き続き、くれぐれもご自愛ください。

 

さて、本願寺新報のコラム「赤光白光」(2月10日版)をご紹介します。

 

「2月22日(旧暦)は聖徳太子の1400回忌に当たる。浄土真宗の本堂余間には太子の御影がかけられているが、宗祖親鸞聖人は太子のことを、日本に初めて仏教を広めてくださった「和国の教主」であると生涯あがめられたのである。

太子の教えとして『十七条憲法』が有名だが、太子のものとして『世間虚仮、唯仏是真(せけんこけ、ゆいぶつぜしん』という言葉が伝わる。太子の死後、妃の橘大郎女が太子を偲んで作った天寿国繍帳に織り込まれたものだという。実は聖人も『煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろづのこと、みなもってそらごとたはごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておはすます(歎異抄)』と同意の言葉を述べられている。

 お二人の”世の中は嘘、偽りである”という言葉は、新型コロナウイルスで人間の自己中心性があらわとなり、さまざまな情報に右往左往し続けたこの1年間で痛感させられた。では、真(まこと)とはどういうことなのだろうか?それは『私たちのちかい』に示されていると感じている。

 見えない不安や恐怖から自分の殻に閉じこもりたくなる時こそ、しなやかな心と振る舞いを心がけ、穏やかな顔と優しい言葉を大切にしていきたい。仏さまのように。社会全体を不安が覆う今こそ、阿弥陀さまに手を合わせ、お念仏を称える中で、わが身をかえりみつつ、ともに凡夫であると、周りの人と喜びや悲しみを分かち合い、日々に精一杯つとめていけたらと思う。」

 

「私たちのちかい」を、再度記しておきます。

一、自分の殻にとじこもることなく 穏やかな顔と優しい言葉を大切にします

  微笑み語りかける仏さまのように

一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず しなやかな心と振る舞いを心がけます

  心安らかな仏さまのように

一、自分だけを大事にすることなく 人と喜びや悲しみを分かち合います

  慈悲に満ちみちた仏さまのように

一、生かされていることに気づき 日々に精一杯つとめます

  人びとの救いに尽くす仏さまのように