令和2年盆

厳しい暑さが続く中、昨日の盆入りには、早朝より沢山のお参りをいただきました。今年は、酷暑にも関わらず、コロナ感染対策からマスク姿が多く、くれぐれも熱中症にもお気を付けくださいますようお願い申し上げます。

 

さて、新しい本山のメッセージポスターの文言は「父さん 母さん 来たよ 『よく来てくれたね』」とあり、お墓の前で子連れの若いご夫婦が合掌されている画像です。亡きご両親に思いをはせてお墓参りをされている場面でしょう。

ここで浄土真宗の信仰に篤かった庄松さんのエピソードをご紹介しましょう。庄松さんは「わしゃ、墓の下にはおらんぞ」と言われたそうです。(「庄松ありのまま記」)これは一体全体どうしたことでしょうか?以前ヒットした「千の風になって」においても「わたしは、お墓の中にいません」と歌われましたが、一見ほとんど同じようでこの二つは異なります。歌における「風になる」という自然現象と異なり、庄松さんは「お浄土に往生するからお墓にはいない」と仰っているのです。

つまり、真宗念仏者としてのお墓参りは、お墓の下のご遺骨に手を合わせるのでなく、愛しい方々への思慕を通して「南無阿弥陀仏」のご本尊に合掌し念仏申しているのです。そして、称える念仏を通して南無阿弥陀仏に出遇わせていただいているのです。だからこそ、阿弥陀さまは「よく来てくれたね」と微笑まれ、亡き方々もお浄土に往生され、み仏となられていますから、私たちが念仏申す身になることを、一番喜んでくださっているのです。

 

追記・本堂のお賽銭箱は、令和2年7月豪雨義捐金とさせていただきます。