いのちのお話

柔らかい新芽が芽吹く頃になりました。

芽吹いた木々で日々山々がもこもこと盛り上がってくる様は、いのちの勢いを感じさせられるものです。

教務所から送られてきたチラシに「いのち」のお話がありました。

簡単なお話なので、是非お子さま、お孫さま達にもお話いただきたいものです。


昔々、インドにシビ王という王様がいました。

ある時、傷ついたハトが、王様のところに助けを求めて飛び込んできました。ハトを追いかけてきたタカが、 

「わたしはそのハトを食べないと生きていけません」

と王様に言いました。そこで王様は、

「では、ハトの重さと同じ重さの私の肉を与えよう」

と天秤を用意し、片方にハトを、もう片方に自分の足の肉を切り取りのせました。しかし、天秤はハトに傾いたまま釣り合いませんでした。

王様はハッと気が付き、からだごと天秤に乗りました。

すると天秤は釣り合ったのです。(ジャータカ物語より)


 このお話は、「いのちの重さに変わりはない」ということを教えてくれています。

わたしたちは、その尊いいのちを毎日いただかなければ生きてはいけません。

真宗には、食前食後のことばがございますが、これは多くのいのちに感謝をする言葉です。

是非、ご家庭でこのことばが響きますよう念じ上げます。


 食前のことば:多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。

        深くご恩を喜び、ありがたくいただきます。

 食後のことば:尊いおめぐみを美味しくいただき、ますますご恩報謝につとめます。

        おかげでごちそうさまでした。