喉元過ぎれば熱さを忘れる

深秋の折、境内の紅葉が美しく染まりました。

この三連休は穏やかな天候に恵まれていますが、一方で長野では大きな地震に見舞われました。桐生でも、久しぶりに緊急地震予報の音がけたたましく鳴り響き、驚かれた皆様も多かったのではないでしょうか?

私自身、311の際に幾度も耳にしたあの音で、どんな地震になるのだろうと身構えたことでした。

幸いにして微弱な揺れで済んだものの、311を想起したことで、つくづく喉元過ぎれば熱さを忘れるものだと感じた次第です。

寄り添うべき復興はまだ途上ですし、多くの教訓を得たはずが、このところの自分の日々はそこからすっかり乖離した心持であったと反省しました。


仏様の教えにしても、聴聞した際は、あぁそうだ、有難いことだと安寧で穏やかな心持でいるのに、すぐさま元の木阿弥で煩悩まみれで不平不満も抱くことになります。(^-^;


かようなことも見越していらっしゃる仏様でありますから、絶えず呼びかけをされていらっしゃるのだと思わずにはいられません。


報恩講の本堂内、現在の掲示板で良寛さんの歌をご紹介しておりました。

良寛さんは、雑炊宗といわれるほど、いろいろな宗派の経典を独自で学ばれた方ですが、最後には南無阿弥陀仏に辿りついていらっしゃいます。


◎良寛に辞世あるかと人問はば 南無阿弥陀仏といふと答えよ


◎けふ別れ あすは会ふ身と思へども 量りがたきは命なりけり