立春

奈良国立博物館蔵 二河白道図
奈良国立博物館蔵 二河白道図
冷たい雨の立春となりました。  ここ数日暖かい日が続いていましたので、余計に寒さを感じます。インフルエンザも流行しているようですので、くれぐれも体調を崩されませんよう、ご自愛くださりお過ごしください。さて、2月23日まで、東京国立博物館では、クリーブランド美術館展が開催されています。全米屈指の規模と質を誇るクリーブランド美術館の日本絵画などが展示されています。その中に、鎌倉時代に描かれた仏教美術で「二河白道図」があります。日本で、二河白道図を見ようとすると関西まで足を運ばねばならないので、東京での展示には是非出掛けたいと私も考えております。 「二河白道」とは、善導大師が説かれた喩えです。人間の怒りや憎しみを「火河」、執着心やむさぼりを「水河」で象徴しており、現世の様々な誘惑に打ち克って阿弥陀仏を信じ、二河の間の細い白道を渡ると、無事に極楽浄土に辿り着くことが表されています。此岸で白道を導かれているのがお釈迦様、彼岸から私たちを呼んで下さっているのが阿弥陀様という図です。  機会がございましたら、是非ご覧ください。