十一月もあっという間に最終週になりました。
当山の報恩講を終えた後も、群馬県内、或いは親交のあるお寺さんの報恩講へお参りに出掛ける住職方にとっては大忙しの月です。11~16日は築地本願寺の報恩講期間で、今年も副住職は法要部員として、ずっと詰めておりました。
報恩講のお勤めの際に、雅楽が流れるのをお参りくださる皆様は耳にされていることでしょう。当山ではテープを流していますが、築地本願寺、或いは本山での法要では、生で雅楽の演奏がされます。
では、雅楽と仏教の関係とはどんなものなのでしょう。
雅楽は仏教とともに、中国・朝鮮半島を経て日本に伝わってきたものです。日本に伝来する以前から、仏教の儀礼の場に雅楽は欠かせないものでした。つまり、もともと雅楽は仏教と密接な関係にあったのです。雅楽は、五音七声で表される十二の和音階で奏されます。五音の中の宮と商の音律は相性が悪く不協和音になります。この不協和音は、まるで私たちの姿を表しているかのようです。私たちは自分が正しいと思い、日々生活を送っています。正しいと思う者同士では、争いが絶えないものです。このような私たちを悲しみあわれみ、旧と商とが自然と調和する世界である浄土を建てられたのが、阿弥陀如来です。雅楽は阿弥陀如来の浄土を表しているのです。
親鸞聖人は、このおこころを次の和讃でお示しです。
清風宝樹をふくときは いつつの音声いだしつつ 宮商和して自然なり 清浄薫を礼すべし
参考:築地本願寺新報
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