311によせて~副住職寄稿

 東日本大震災で犠牲になられた方々の三回忌にあたり、コーラスの稽古に集まった仏婦の皆さんと追悼法要をお勤めしました。

 遺族の方々は、愛しい方を亡くされた哀しみが癒えることのないまま、二年の歳月を費やされたことでしょう。

 震災を機に広く「絆」が叫ばれてまいりましたが、月日の流れとともに気運も人も薄れてゆくことは止めることが出来ません。

 しかし、仏さまの教えにある「縁」(すべてのものは、様々なつながりによって存在している)の大切さを失わずにまいりたいことです。

 「絆」や「縁」と同じく「糸へん」の付く「(お)経」は、仏さまの知慧と慈悲の心が説かれたものであります。その「経」が縦糸となって、「絆」や「縁」がつむがれてゆきます。

 本日お勤めしたお経の一文の心を味わいつつ、微力を尽くしてまいりましょう。

 

【 一 切 恐 懼          為 作 大 安 】    (仏説無量寿経)

 おそれなやめるもろびとの   憩いの家とならんかな